中国がアメリカにも楯突き始めました
中国、米空母に対抗し大規模軍事訓練
海上領有権紛争めぐり日本・ベトナムに圧力かける意図も
ステルスミサイル高速艇投入…北海艦隊は実兵訓練、東海艦隊は実弾射撃訓練
中国軍は秋夕(中秋節、今年は9月30日)と国慶節(建国記念日、10月1日)に伴う連休中も東シナ海・南シナ海・西海(黄海)などの周辺海域で大規模な軍事訓練を実施し、陸海空軍の全体にわたり戦闘準備態勢を緊急点検した。海上の領有権をめぐり争っている日本やベトナムに圧力をかけ、この一帯に投入された米軍の航空母艦船団に対抗しようとしているのでは、との見方もある。
中国共産党中央軍事委員会の機関紙「解放軍報」は3日付で、ベトナムと領有権を争っている南シナ海の西沙諸島(パラセル諸島)一帯の海域で2日、南海艦隊が船舶臨検と拿捕(だほ)訓練を実施したと報じた。この訓練には、南海艦隊所属の大型半潜水艦護衛艦「万寧」などが投入されたという。中国軍はまた、南京近くにある空軍航空兵師団傘下の長距離爆撃機部隊と、北京にある第2砲兵(戦略核ミサイル部隊)にも緊急出動命令を下し、戦闘準備態勢を点検した、と解放軍報は報じている。
韓国に接している西海(黄海)では北海艦隊がステルスミサイル高速艇4隻を投入し、実兵訓練を行ったと中国海軍網が2日、報じた。訓練に参加した022型ステルスミサイル高速艇は早期警戒機を通じ敵の艦艇編隊をキャッチし、奇襲する作戦を実行したとのことだ。中国が昨年実戦配備したこのステルス高速艇は乗組員が12人という小型艦艇だが、レーダーにキャッチされずに数分間隔でミサイル8基を発射できる。今回の訓練は米空母の西海進入に備えたものだという。
中国海軍所属の原子力潜水艦と第2砲兵が、米空母を標的にして弾道ミサイルの照準を合わせたという話も取り沙汰された。中国のインターネットメディア「財訊」は同日、米空母の南シナ海と東シナ海進入を報じた際、「原子力潜水艦は反撃準備に入るとともに、第2砲兵はミサイル数十基を『標的(米空母)』に向け照準を合わせているだろう」と報じた。さらに同メディアは「1996年の台湾危機で米原子力空母が西海に進入してきた際、中国の原子力潜水艦が極秘に追跡・監視し、空母撃沈命令を待っていたのと同様の状況。命令一つで米空母は煙を立てることもなく消えるだろう」とつづった。
米国は先月30日、中国と周辺国の間で領有権問題が激化している東シナ海・南シナ海にそれぞれ原子力空母「ジョージ・ワシントン」と「ジョン・C・ステニス」を派遣した。米国はまた、今月8日から18日まで南シナ海・フィリピン海域に強襲揚陸艦「ボノム・リシャール」を投入、フィリピン海軍と連合上陸作戦を展開する予定だ。