めもちょう

ひたすら愚痴や独り言です

着物のTPO覚え書き

 ども。 今日は風が凄いっすな。 ヴァです。

 先日、着物のTPOについて、私の友達が無知だったことに触れましたが、私自身、そんなに着物に詳しいわけじゃありません。
 紬(つむぎ)を絣(かすり)と間違えて覚えていたり、平気で無知を晒してその辺で恥をかいております。
 そいうえば、袋帯の事を丸帯と言ったこともあったな…(丸帯は花嫁が花嫁衣装を着る時に〆る帯で、日常的に使うことはほとんどありませんし、最近の花嫁さんもあんまり丸帯使わないとかなんとか貸衣装屋さんが言ってた様な気がする)


 私も良く分かっておりませんが、浴衣しか着たことない、とか成人式に振袖は着たよって人よりは少しだけ知識があるので、簡単に着物のTPOを書き留めておきます。
 着物の初心者さんが覚えておいて損は無い、程度の事しか書けませんが。


第一礼装
 打掛  花嫁が着て引きずってる奴。豪華絢爛で鶴とか亀とかひたすらおめでたい柄。裾に綿が入ってて上から羽織るやつ。和装の披露宴でのお色直しだと打掛を外して下に着た本振袖で登場っていうパターンが多い。

 黒留袖  既婚者の第一礼装。五つ紋(背中に一つ、両胸に一つずつ、両袖の外側に一つずつ家紋を染め抜く)。主に身内の結婚式とかでしか出番がない。(地方によっては招待客でも既婚者は黒留着て出席するところもあるらしいが一般的じゃない)
 着るチャンス→ 身内の結納。 身内の結婚式。 身内のお宮参り。 仲人。
 年齢によって合う柄、合わない柄がある。親戚が多い人は結婚したらあつらえたほうがレンタルするより安上がり。
 黒留袖とは→ 上半身に模様が無く、裾に豪華な裾模様(絵羽模様)がある。五つ紋の入った真っ黒の着物。比翼という白い襟が内側に付いている。(もともとは長じゅばんの上に一枚白い着物を着て、その上に黒い留袖を着ていたが、現代は簡略化されて比翼になってるんだそうだ)
 絵羽模様とは→ 簡単に言うと縫い目がある(別布が縫い合わせてある)のに横につながった絵柄模様の事。

 本振袖  花嫁が着る奴。引き振袖ともいう。袖がくるぶしまである。襟に比翼が付いている。袖が二重になっている。裾に綿が入ってて重い。(大振袖とは厳密には別物らしい)

 黒喪服  黒一色で五つ紋入り。
 着るチャンス→ 身内の不幸の時だけ。 他人の、特に男性のお葬式(告別式)に黒喪服着て行ったりしたら愛人や隠し子に間違われてヒソヒソされた上に喪主の親族辺りとトラブルになること請け合い。
 四十九日、納骨式、一周忌、三回忌、七回忌とかの法要で着れるけど、告別式以外は集まる人の服装に合わせたほうが無難。


 略礼装(準礼装)
 色留袖  既婚者でも未婚者でも着用可能。一つ紋か三つ紋か五つ紋で紋が増えるごとに格があがり、黒留袖同様に上半身には柄が無く、裾模様。訪問着より格が上。黒留袖より格が下。その分未婚者はこれ持ってるとどこに着て出ても恥ずかしくない。黒留袖は身内のイベントにしか着れないが、色留袖は他人の慶事に着て行ける。
 着るチャンス→ 結婚式全般。披露宴全般。宮中参内。ただし、クリスマスパーティみたいなイベントには格が高くて合わない。地域によってしきたりとかが変わるといろいろ違うらしい。

 訪問着  既婚者でも未婚者でも着用可能。紋を入れちゃうと格が上がって色留袖に近くなってしまうので着用範囲が限られるが、紋無しなら着用範囲が高い。
 訪問着とは→ 上半身にも絵羽模様が入るので色留袖との見分けとしては座った状態で上半身に柄があるか無いかで分かる。
 着るチャンス→ 遠い親戚や友達の結婚式・披露宴・二次会。入学式・卒業式(自分のでも自分の子供の出もお高い舞台)。お宮参り・七五三。お茶会・初釜。観劇(オペラ鑑賞とかオーケストラ鑑賞とか歌舞伎とかでチケットが高い奴)、お食事会、園遊会、祝賀会などのパーティー。初詣や親戚への新年のあいさつ回り、目上の方への訪問など。

 振袖  未婚者の正装(第一礼装は本振袖で、一般的な振袖は中振袖なので略式に分類される)。大振袖(袖丈が114センチ前後)中振袖(袖丈100センチ前後)小振袖(袖丈85センチ)の順番で格が下がっていく。
 大振袖は結婚式に着ることが多く、成人式で良く見かけるのは中振袖がほとんど。小振袖と中振袖は袴と合わせて卒業式などで良く見かける。
 着るチャンス→ 成人式。結婚式披露宴。結納。卒業式(振袖のままで着ても、中振袖と小振袖に半幅帯と袴を合わせてもOK)。初詣。お見合い。園遊会。祝賀パーティ。会社の仕事始め。 
 ちなみに、袖を切って仕立て直すと訪問着に変身。

 付け下げ  訪問着より格が下で小紋より格が上。絵羽模様(縫い目に柄が掛かっている)ではないが、反物の時点で仕立てる時の柄の方向を想像して絵付けするため、柄が上下整っている(柄が逆さまになることは無い)。訪問着より柄がシンプル。
 付け下げ訪問着というのもあって、これは仕立ててしまうと普通の訪問着と見分けがほとんどつかない。(訪問着の絵付け方法が仮仕立て(大体の着物の形に裁断して縫い合わせ)してから下絵をして、それをほどいて反物に戻してから染付けをして、それから仕立て上げるのに対して、付け下げ訪問着とは寸法を大体で測って、反物の状態のまま絵付け染付けしたものを仕立てるので、仮仕立ての手間が省かれているためにお値段がお安い。仕立て上がりの状態だと訪問着なのか付け下げ訪問着なのか見分けがつかないのでお安く売られているものは大体が付け下げでSMLの規格寸法の事がほとんど。(注:付け下げ訪問着についての内容にちょっと自信がないので、間違っていたらすみません)
 着るチャンス→ 訪問着を着るチャンスとかぶるが、訪問着よりもさらに気軽に着て出かけられる。

 色無地  明るめの色は慶事に。暗めの色は弔事に使われることが多く、地紋(織り出した模様)によっても慶事・弔事に分かれる。一色染めもしくは同色の裾のぼかし。紋を入れるか入れないかで格が変わり、帯によっても格が変わるので着て行ける場所がかなり広い。その代り汚れがめっちゃ目立つので着用後のお手入れが重要。パールトーン必須。
 着るチャンス→明るい色は訪問着や付け下げに準ずる。暗い色は色喪服の代わりに。

 江戸小紋  五役という柄に紋付なら略礼装として扱われ、それ以外はおしゃれ着になる。
 五役とは→ 鮫(極鮫という、より細かい柄は8代目将軍吉宗の実家の紀州家の定め小紋
         角通し(信濃・戸田家の定め紋で細かい格子柄)
         行儀(仙台藩・伊達家の定め紋で細かいドット柄)
          以上が三役で、それに加えて
         大小あられ(薩摩藩の定め紋で細かい大小のドット柄)
         万筋(島津藩の定め紋で細かいストライプ)
          以上の二つの九州の藩の定め紋を加えて江戸小紋五役と呼んで、これに一つ紋を付けると略礼装になって結婚式にも着て行ける。

 お召し  無地に近いものは礼装として着用可能。(くだけた柄のもの(絣や縞模様のお召し)は外出着なのでかしこまった席には向かない。


 外出着→ お出かけなの~♪という時に着る。友達と会うとか買い物に出かけるとか、ちょっとしたレストランでお食事とか(高級店だと微妙ですが、ランチなら大丈夫)映画鑑賞とか博物館・美術館への芸術鑑賞とか、あまりかしこまらない場所にお出かけでちょっとおしゃれに気合入れたい時に着る)。近しい友人や身内への正月のあいさつならOK。あくまでも仲良しに限る。
 数百万もする着物もあるが、あくまでもおしゃれ着であって高いからって格が高いわけではない。例えるならハイブランドが出してるGパンは何十万もするけど結婚式に着て行ける服ではないってこと。数十万もする革ジャンもお値段は高いけど殺生を連想させるので着て行っちゃだめだし。あくまでも以下の着物はカジュアルウェア。
 付け下げ小紋
 小紋→ 連続の模様で絵柄の上下が関係なく仕立ててある着物。江戸小紋で五役でも紋無しだとこちらに分類される。
 紬の訪問着→ 泥大島なんか何百万としますが、あくまでも外出着で、訪問着になっていたとしても結婚式に着て行くと招待者に対して失礼。
 紬の無地→ あくまでも紬は紬。無地だからって色無地にはならない。
 絞り→ 総絞りの着物はお値段が非常に高いので、みんなすごいすごいと持て囃しますが、着物の格としては外出着です。ただし、振袖に仕立ててあるなら準礼装として結婚式などに着て出席できます。ただ、袖を切っちゃうと訪問着になってしまうので、絞りの着物は外出着としてしか着用できないようです。
 お召→ 無地や無地に近い物は準礼装にも着用可能だが、柄のある物のほとんどはカジュアルなものだと思ったほうが無難。
 更紗→ 更紗っていう着物って意味じゃなくて更紗って言う染付け(プリント)になり、大体が小紋。インド更紗やジャワ更紗などがあって、あっちら辺の模様。


 街着・普段着・浴衣→ 家の近所でお散歩するときや家でゴロゴロするときに着る着物
 紬、絣、黄八丈、ウール、銘仙、木綿、浴衣あたりは普段着なので、泥大島や黄八丈なんかはくっそ高いですがあくまでも普段着です。道楽で着物好きな金持ちが買う着物です。


 洋服でたとえたら、いくら着飾っても木綿のワンピースで結婚式には行かないし、いっくら高級品でも皮パンはいて行かないし、ブランドものでもコーデュロイのジャケットでは結婚式には出ませんよね。数十万円のスニーカーでもあくまでもスニーカーですし。エアジョーダンだぜ、とか言われても、お前、場所考えろよ…ってなるじゃないですか。
 でも、安物でもポリエステルで出来たカクテルドレスなら結婚式に出席できる不思議。付けてるアクセサリーが模造パールでも、模造ダイヤの指輪でもその場にふさわしい着こなしなら出席できるんですから着物も洋服もTPOさえ覚えればそんなに難しくは無いってことです。ルールを守れば安物でも高級品でも結果は同じ。
 ただし、着物も洋服もセンスが悪いと酷い着こなしをする人はいます。


 着物はポリエステルの1万円くらいの訪問着と200万の正絹の紬の二つあったらどっちが「格」が上かって言ったら1万円のポリエステルの訪問着です。
 ポリエステルの万筋の江戸小紋(一つ紋入り)2万円と、正絹の小紋8万円だったら、ポリエステルの江戸小紋(紋入り)の方が格が上なんです。

 ポリエステルなんか安いじゃん!と思うでしょうが、江戸時代にポリエステルっていう素材が無かったんだよなー。


 以上、長々と書きましたが、まぁ、だいたいこんな感じ。
 これを書くためにちょっと調べまくりましたが、新しく知った事実ってのはありませんでした。(まぁ、教科書みたいな本読み漁ったことあるから何となくうろ覚えみたいな知識は持ってはいた)
 でも、本振袖と大振袖については調べてもイマイチはっきりとした違いが良く分からなかった…。裾に綿が入ってるか入って無いかの違いじゃないのか…?


 でわでわ